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退職後、公的機関への手続き

基本的に、働いていると勤務先を通して労働保険、社会保険といった公的な保険制度へ加入しています。

また、給与から所得税や住民税といった税金も天引きされています。

そのため、転職によって職場が変わる際には当然手続きが必要となります。

すぐに転職先が決まっている場合は特に自分で手続きすることはありませんが、再就職まで2週間以上の離職期間が生じる場合は、公的機関への手続きを自分で行うものが多いです。

税金関連、年金、健康保険、雇用保険など、各種手続きのポイントを解説していますので参考にしてください。

※退職時に返却すべきものや受け取るものを確認して、揃えておきましょう。
 >退職する会社に返却するもの・受け取るもの

 

 




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退職後に必要な手続き

転職先が決まっている場合と、決まっていない場合では、手続きが大きく違います。

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企業ポイント 転職先が決まっている場合

転職先が決まっている場合は、非常にシンプルです。

以下の書類を転職先に提出すれば、総務・労務の人が手続きをしてくれます。

源泉徴収票

年金手帳

雇用保険被保険者証

健康保険被扶養者異動届(扶養義務がある場合)

 

転職先で提出の指示があるので、それまで大切に保管しておきましょう。

基本的に、この場合は特に自分で手続きすることはありません。

 

企業ポイント 転職先が決まっていない場合

転職先がまだ決まっていない、もしくは再就職まで2週間以上ある場合は、自分で手続きするものが多いです。

基本的に、税金・年金・健康保険・雇用保険に関連した手続きが必要になります。

地方税 住民税(普通徴収)の納付

時期によっては確定申告(所得税)

国民年金へ種別変更手続き

健康保険を選択・加入手続き

失業手当の受給手続き(雇用保険)

 

基本的には、国民年金・国民健康保険への加入が必要です。

社会保険の資格が無くなったことを証明する書類(退職証明書、社会保険資格喪失証明書など)をもらっておき、住民票のある市役所で加入・変更手続きが必要です。

 

給与明細で見る「雇用保険」「健康保険」「厚生年金」などが天引きされているのは、会社を通して公的機関の保険に加入しているからです。

また、「住民税」や「所得税」なども負担しているのはあなたですが、会社が代わりに行政機関へ納付してくれています。

そのために、退職したり勤務先が変わると、公的機関への手続きが必要となるわけです。

 

ここでは、退職から2週間以上離職期間がある場合の、自分で行わないといけない手続きをまとめていますので、確認しておきましょう。

 

 地方税・住民税の手続き

地方税・住民税は、1月から12月までの所得に対して課された税額を、翌年6月から翌々年5月の間に、後払いとして納める仕組みになっています。

例えば、新卒で入社した当時は引かれていなかった「住民税」が、1年後の6月あたりの給与から引かれるようになるのはこの仕組みのためです。

在職中は天引きだったので、納付の意識が低かったかもしれませんが、退職すると、区切りとなる5月までの残額を自ら納付することになります。

そのため、納付の方法は退職時期によって異なります。

6月~12月に退職する場合

前年の所得に課された税額のうち、翌年の5月までに支払う残額を、

・退職時に一括で納付
・分割で納付

どちらかを選択することができます。

退職する会社に希望の納付方法を伝え、一括納付の場合は最後の給与や退職金から天引きされます。(会社によって異なります)

分割納付の場合は、退職後に市役所から納税通知書というものが送られてくるので、それに従って自分で分割納付していきます。

 

1月~5月に退職する場合

ややこしいですが、この期間の退職は、前々年度の所得に課された税額が対象となります。

5月までに納めるべき残額を、退職時に一括で支払います。(住民税の区切りが6月のため)

 

 所得税の手続き

所得税は、1年間で納めるべき税額を想定して、毎月給与から天引きしています。

つまり、1ヶ月以上の間給与を受け取らない期間があるなら、想定していた所得税を多く納め過ぎていたことになります。

払い過ぎた所得税は当然返ってきますが、そのための手続きは、年内に再就職した・しないで変わります。

年内に再就職した場合

再就職した会社で“年末調整”を行います。

生命保険や医療費などの各種控除証明が11月~12月に自宅に送られてきます。

この「各種控除証明」と、退職した会社から受け取る「源泉徴収票」を合わせて会社に提出すれば、会社が手続きをしてくれます。

基本的には再就職した会社から指示があるので、それに従います。

 

年内に再就職しなかった場合

翌年2月~3月の時期に、居住地を管轄している税務署で“確定申告”を行います。

※商工会議所などを会場にしている地域もあります。

生命保険や医療費などの「各種控除証明書」、退職した会社から受け取る「源泉徴収票」「印鑑」等を準備し、自分で確定申告の手続きを行います。

尚、年内に再就職が決まった場合でも、その年の年末調整に間に合わないケースもあり得ます。

そういった場合でも、自分で確定申告をする必要があります。

 

※補足
年末調整も確定申告も、「所得税を清算する」ということが目的で同じ意味です。
ただ、会社がやってくれるのが年末調整、自分でやるのが確定申告ということです。

 

 公的年金の手続き

社会保険に加入している企業で働いている場合は、厚生年金に加入しており、保険料を企業と折半で負担しています。

在職中は厚生年金ですが、退職して離職期間が生じる場合は、自分で負担する“国民年金”に変更する手続き自分で行う必要があります。

転職先が決まり、改めて厚生年金保険に加入する際は、転職先の会社で変更の手続きをしてくれます。

いつまでに?

退職の翌日から14日以内に手続きを行います。

 

どこで?

住民票を登録している市役所に行って、国民年金への種別変更の手続きが必要です。

 

必要なもの

変更手続きには、年金手帳・印鑑・退職日を確認できる書類(社会保険資格喪失証明書、離職票、退職証明書など)が必要です。

 

すぐ再就職する場合でも、転職先で社会保険が完備されていないのであれば、この手続きは必要です。

また、失業中に所得が少なく、保険料を納付することが難しい場合は、国民年金保険料を減額、免除する制度があります。

希望の場合は市役所で相談してみましょう。

日本年金機構 保険料を納めることが、経済的に難しいとき

 

 健康保険の手続き

社会保険に加入している会社で働いているなら、健康保険に加入しており、保険料を企業と折半で負担しています。

基本的には、退職するなら厚生年金と同時に資格が無くなるので、健康保険証を勤務先の企業に返します。

※病気やケガをしている最中であれば継続できるケースもあります。

転職先が決まっている場合は、転職先の会社が社会保険の手続きを行うので、特に自分で手続きすることはありません。

転職先が決まっていない、離職期間が2週間以上の場合は、以下の3つの中から手続きが必要になります。

離職期間がある場合の健康保険の手続きは3パターン

1.国民健康保険へ加入

資格喪失日が分かる証明書(資格喪失証明書、退職証明書、離職票のうちどれか1通)印鑑等を準備します。

退職の翌日から14日以内に、住民票が登録されている市役所にいって、国民健康保険への加入手続きを行います。

 

2.任意継続被保険者制度

これまで加入していた健康保険の被保険者になれる制度です。

健康保険任意継続被保険者資格取得申請書・住民票・1ヶ月分の保険料・印鑑等を準備します。

退職の翌日から20日以内に、加入していた健康保険組合、もしくは居住地域の社会保険事務所で手続きを行います。

ただし、これまでは保険料を企業と折半負担でしたが、全額負担になるのでこれまでの保険料の2倍を納める必要があります。(上限あり)

 

3.家族の扶養に加入

年収が130万円未満の場合ですが、家族の誰かが健康保険に入っており、あなたの年収の倍以上の収入があれば、扶養に加入できる可能性があります。

保険料を払う必要が無いので、次の転職先が決まるまでは最も経済的に良いです。

また、転職先が決まっている場合でも、社会保険が完備されていないのであれば、国民健康保険への加入手続きが必要です。

転職先が決まり、改めて社会保険に加入する際は、転職先の会社で加入手続きを行います。(会社が行う)

 

 雇用保険の手続き

正社員で働いているのであれば、雇用保険に加入しているはずです。

※働く時間等によってはアルバイトや契約社員でも加入します。

雇用保険は、保険料を企業と折半負担し、あなたの給与から天引きされています。

加入期間によって、「失業手当」「教育訓練給付金」など、離職中の金銭的な援助を国から支給してくれる制度です。

失業手当の受給条件

一般的に、離職日以前の2年間で、11日以上勤務していた月が12ヶ月以上あれば受給要件を満たします。

つまり、普通に正社員で1年間働いたのであれば受給要件を満たします。

(会社都合で退職した場合などは、離職日以前1年間で11日以上勤務していた月が6ヶ月以上あれば受給を満たす)

 

必要なもの

退職時に受け取る雇用保険被保険者証と、退職後に発行される離職票が必要になります。

離職票は退職後しか発行できないので、郵送で自宅に送られてきます。(通常10日以内に発行される)

まれに手続きが遅い会社もあるので、事前にどれくらいかかるか確認しておきましょう。

離職票が届かないと、失業手当の手続きができません。

 

失業手当(基本手当)受給の流れ

1. ハローワークで求職申込(被保険者証・離職票が必要)

2. 7日間の待機期間

3. 受給説明会と失業認定日に出席する

 (自己都合退職の場合は、待機期間後、およそ3ヶ月の支給停止期間がある)

4. およそ1週間で基本手当給付

5. 以後、4週間に1回ある失業認定日にハローワークへ行き、就職相談を受ける

6. およそ1週間で基本手当給付

…再就職もしくは給付期間が終わるまで5.6.が繰り返されます。

 

また、失業手当の認定を受けた後に、早期再就職ができた際は、「再就職手当」を受給できます。

ハローワーク 雇用保険手続きのご案内

 

 

まとめ 会社の退職フローを確認

退職後の公的機関への手続きについて解説してきました。

基本的に、退職してすぐに再就職する場合は、特に自分で手続きすることはありません。

2週間以上の離職期間が生じる場合は、自分で手続きすることが多くなります。

税金、年金、健康保険、雇用保険といった、大きく4種の各手続きを事前に確認しておきましょう。

また、会社にある退職フローの資料でも詳しく解説しているはずなので、必ず見ておきましょう。

会社によっては、書類の受け取り方などに違いがあるケースもあります。

 

 

 

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