「みんなの転職理由」を調査しているところは様々で、調査企業によって、調査人数の規模や結果が違います。
複数の調査結果を比較して、みんながどのような理由で転職に踏み切っているのかを参考にしてみましょう。
今回チェック・比較しているのは、厚生労働省、doda、リクナビNEXT、エンジャパンの4つです。
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厚生労働省の統計データから見る
(出典:厚生労働省 平成28年雇用動向調査結果)
転職市場動向に外せないのが、厚生労働省の統計データです。
調査事業所は約15,000社、約70,000人の方(10代~60代)を対象とした、国内で最も規模が大きい調査結果となっています。
以下にまとめてみました。(数字は割合%)
男性 | 女性 | |
---|---|---|
仕事に興味が無くなった | 5.1 | 4.6 |
能力を活かせなかった | 4.8 | 5.3 |
人間関係が原因 | 7.2 | 12.1 |
会社の将来が不安 | 8.4 | 4.9 |
給与が不満 | 12.2 | 9.9 |
労働環境が悪い | 9.5 | 12.3 |
結婚 | 0.7 | 2.5 |
出産・育児 | 0.1 | 1.5 |
介護・看護 | 1.2 | 1.5 |
定年・契約期間満了 | 16.5 | 13.2 |
会社都合 | 5.8 | 5.8 |
その他(出向等) | 26.4 | 23.3 |
男女ともに共通なのが、「定年・契約期間満了」です。
ただし、これには明確な理由があり、高齢化が大きく影響しています。
仕事を引退する60代の方が必然的に多くなるため、男女共に定年・期間満了が目立っています。
男性の特徴は、多い順で「給与が不満」「労働環境が悪い」「会社の将来性」を理由に転職する方が多いです。
女性の特徴は、多い順で「労働環境が悪い」「人間関係が原因」「給与が不満」といった理由が多いです。
共通点もありますが、男性は企業の将来性を、女性は人間関係といった感じで、それぞれ特徴が顕著に表れています。
【厚生労働省の調査】
・男性は 1.給与 2.労働環境 3.会社の将来性 の順に多い
・女性は 1.労働環境 2.人間関係 3.給与 の順に多い
dodaの転職理由ランキングから見る
dodaといえば統計データに強いパーソルキャリアが運営しています。
調査人数はなんと約40,000人で、厚労省に次ぐ大規模な統計データを調査しています。
そのためパーソルキャリアのデータは信頼性が高く、市場価値や動向チェックに参考になるでしょう。
割合(%) | |
---|---|
他にやりたい仕事がある | 13.1 |
会社の将来が不安 | 9.8 |
給与が不満 | 8.6 |
残業が多い・休日が少ない | 6.7 |
専門知識・技術を習得したい | 3.7 |
U・Iターン希望 | 3.3 |
会社の将来が不安評価方法に不満 | 2.7 |
土日祝に休みたい | 2.6 |
雇用形態を変えたい | 2.3 |
市場価値を上げたい | 2.3 |
dodaの調査では、多い順から「他にやりたい仕事がある」「会社の将来性」「給与が不満」といった転職理由が多いようです。
以前と比べると、“他にやりたい仕事があるから転職する”といった方が年々増加傾向にあります。
これまでは企業の将来性を不安視して転職する方が圧倒的に多かったですが、2012年を境に逆転しています。
dodaの調査では、人間関係を理由に転職する方は少ないようです。
【dodaの調査】
転職理由は以下の順に多い
1.やりたい仕事がある
2.会社の将来性
3.給与
リクナビNEXTの転職理由ランキングから見る
リクナビNEXTでは、転職経験のある100名の方からのアンケート調査を公開しています。
規模は小さいですが、本音重視の結果となっているのでリアルな回答となっています。
割合(%) | |
---|---|
上司・経営者の仕事に不満 | 23 |
労働環境が悪い | 14 |
人間関係 | 13 |
給与が不満 | 12 |
仕事が面白くない | 9 |
社長がワンマン | 7 |
社風が合わない | 6 |
経営方針の変化 | 6 |
キャリアアップ目的 | 6 |
昇進・評価が不満 | 4 |
最も多いのが「上司や経営者の仕事っぷり」です。
仕事のやり方や考えが気に入らないという理由で転職に踏み切る方が多いようです。
続いて「労働環境」「人間関係」「給与」といった順に多くなっています。
本音とはいえ、意外とキャリアアップを目的とした転職は少ないようです。
【リクナビNEXTの調査】
転職理由は以下の順に多い
1.上司・経営者の仕事っぷり
2.労働環境
3.人間関係
enエン転職のアンケート集計結果から見る
(出典:エン・ジャパン退職理由についてのアンケート集計結果)
最後にエン・ジャパンが行っているアンケート調査を見てみましょう。
エン・ジャパンでは、様々なテーマでアンケートを行っており、リアルな声をチェックすることができます。
調査はおよそ6,300名を対象に行われています。
割合(%) | |
---|---|
給与が不満 | 47 |
評価に不満 | 37 |
残業・休日出勤が多い | 28 |
会社の将来が不安 | 26 |
人間関係 | 23 |
体調を壊した | 20 |
他にやりたい仕事がある | 18 |
社風が合わない | 17 |
やりたい仕事ではない | 16 |
福利厚生が悪い | 16 |
結婚・育児・介護 | 10 |
その他 | 11 |
最も多いのが「給与の不満」です。
エン・ジャパンの調査の場合、全体の47%が給与を理由に挙げています。
続いて人事評価などの「評価に不満」、労働環境の「残業・休日出勤が多い」という順です。
【エン・ジャパンの調査】
転職理由は以下の順に多い
1.給与
2.評価
3.労働環境
比較してみて分かったこと
転職理由の統計について、4つの調査結果を見てきました。
ここで各調査の転職理由TOP3を比較してみましょう。
第一位 | 第二位 | 第三位 | |
---|---|---|---|
厚生労働省(男性) | 給与が不満 | 労働環境が悪い | 会社の将来が不安 |
厚生労働省(女性) | 労働環境が悪い | 人間関係 | 給与が不満 |
DODA | 他にやりたい仕事がある | 会社の将来が不安 | 給与が不満 |
リクナビNEXT | 上司・経営者の仕事に不満 | 労働環境が悪い | 人間関係 |
エン・ジャパン | 給与が不満 | 評価が不満 | 残業・休日出勤が多い |
※厚生労働省の「定年」は除く
このように、「給与が不満」と「労働環境が悪い」が目立ちます。
リアルな意見としては、この2つが転職理由として目立っています。
あとは、「人間関係」と「会社の将来が不安」といった理由も比較的多い傾向でした。
ということで…
皆さんがどのような理由で転職に踏み切っているのか、参考になったかと思います。
また、あくまでこれは”ホンネ”の転職理由です。
面接ではこういった転職理由をポジティブに伝えられるように工夫しましょう。
以上、みんなの転職理由でした。